Netflix（ネットフリックス）が、駅構内にユニークな謎解き広告を展開した。トランプの絵柄が10枚並んだB0サイズのポスターを使用し、何らかのドラマや映画の告知を行っている。詳細な実施時期や場所は不明だが、駅構内の人通りの多い場所に掲出されたようだ。

トランプ10枚の謎に挑め！Netflixが仕掛けた”足止め”広告

近年、OOH広告（Out Of Home広告）の効果測定が進化している。人流データを活用した接触人数の推計だけでなく、広告との接触時間や質の評価にも注目が集まっている。そんな中、Netflixが展開した今回の広告は、視聴者の興味を長時間引きつける工夫が施された好例だ。

シンプルなのに目を引く、謎のトランプポスター

広告は黒い背景に10枚のトランプが並べられただけのシンプルなデザインだ。左上から「SPADEの3」「CLUBの2」と並んでおり、一見するとランダムに配置されているように見える。しかし、このトランプの並びには何か意味があるのだろうか。背景にうっすらと見える模様も、何かのヒントになっているかもしれない。

ポスターの下部にはNetflixのロゴが表示されているだけで、具体的な作品名や公開日などの情報は一切ない。この謎めいた構成が、通行人の好奇心を刺激し、足を止めさせる効果を生んでいる。

謎解きで広告接触時間を最大化

この広告の最大の特徴は、謎解きの要素を取り入れることで、広告との接触時間を延ばしている点だ。動画広告などとは異なり、紙のポスターという媒体の特性を活かし、通行人が自由なペースで謎に挑戦できる環境を作り出している。

さらに、謎解きという要素は単に接触時間を延ばすだけでなく、広告の印象を強く残す効果もある。解けた時の達成感や、解けなかった場合の気になる感覚が、作品への興味を高める仕掛けになっているのだ。

SNSでバズる仕掛けも満載

この広告はSNS上でも大きな話題を呼んだ。謎解きに挑戦する人々の投稿や、答えを見つけた人の喜びの声が多数確認された。これは、広告の効果が実際の設置場所を超えて、オンライン上にも波及していることを示している。

謎解きとOOH広告の組み合わせは、マーケティングの態度変容プロセスの要素をバランスよく含んでいる。「注意」を引き、「関心」を高め、SNSでの「共有」を促し、さらに答えを知りたい人には「検索」行動を起こさせる。これらの要素が相乗効果を生み、広告の効果を最大化しているのだ。

OOH広告の新たな可能性を示唆

Netflixのこの取り組みは、OOH広告の新たな可能性を示している。単に情報を伝えるだけでなく、視聴者を楽しませ、考えさせる広告は、より深い印象を残し、長期的な効果を生み出す可能性がある。

今後、他の企業もこうした「体験型」のOOH広告に挑戦する可能性がある。広告業界は、この事例から多くのインスピレーションを得ることができるだろう。

この広告の答えが気になった方は、SNSで検索してみてほしい。きっと、新たな発見があるはずだ。