【コラム】ニューヨーク市のOOHとパブリックアートの事例

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2014年2月に有休を利用してニューヨークへ行った際に、主にOOHやパブリックアートに関してまとめたレポート。
ニューヨーク市のOOHに対する考え方や、海外におけるパブリックアートに対する企業の関わり方など、現在の日本から見ても学べる点が多くあった。

 

ニューヨーク市地下鉄 車内広告

まど上とドア横広告がメイン。中吊りはなく、スッキリとした印象の車内だった。スーパーボウル開催時期ということもあり、ペプシが1編成まるごとジャック広告を実施していた。

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車体から車内の壁面、座席シートまでまるごとペプシでジャックされた広告。スーパーボウルは2/2開催だったが、2/7の時点でまだ掲出されていた。

ニューヨーク市地下鉄 駅広告

媒体の数は少ないが、定形のサインボードやデジタルサイネージの他、大型のターミナル駅では駅ジャック型のインパクトのあるメディアも見かけられた。

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駅構内は1.2×1.5mくらいの特額看板がメイン

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壁面をカーブにそってジャックしたシート広告

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タイムズスクエア駅ではペプシがスーパーボウルのキャンペーンで駅をジャックしていた。

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地下鉄への出入口の上部も媒体化されている(一部サイネージ化)。

ニューヨーク市 タクシー広告

多くのタクシーの天井部分には電飾ボードが設置されており、さまざまな広告主が掲出していた。一部の電飾ボードはデジタルサイネージになっており、動くタクシーの上部で動画が放映されている様子も見られた。

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ニューヨーク市 バス広告

日本と同様に、バス車体やバス停も媒体化されている。特殊な仕様のものやデジタルサイネージになっているものも見受けられた。

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一部が電光文字になっている宝くじの公衆電話横広告

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デジタルサイネージが連続して配置されている(リンカーン・センター付近)

ニューヨーク市 屋外広告

サインボードの形状や設置場所に合わせてさまざまなバリエーションの広告が見られた。とにかく巨大なものが多く、中にはアートと見間違うようなものもあった。

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一見、手描きのストリートアートのように見える番宣の広告

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2つのサインボードを組み合わせたクリエイティブ

ニューヨーク市 タイムズスクエア

とにかくデジタルサイネージとサインボードだらけのタイムズスクエア周辺はグルーバル企業やエンターテインメント系企業の広告で溢れかえっていた。

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タイムズスクエアでは、ニューヨーク市の景観計画の一環として「派手なサインを設置しなければいけない」という“逆”広告規制が設けられている。

◆広告掲出条件の例(URBAN DESIGN CENTER「都市+デザインvol.26」より抜粋)
サインの点灯時間について稼働時間項目の中で「テナントディスプレーエリアは、週7日間、開店から閉店まで、又は、午前1時までのどちらか遅い時間まで、照明されていること」と明記されている。商業サインの大きさに対しても「2,040 square feet(およそ183,6平方メートル)以上の大きさのサインを取り付けなければいけない。加えて、その20%以上が動かなければならない」と一般的な内容とは逆の条件となっている。
デザインについても「小売業サインは様々なほかの小売店と、色、世帯、サイン類の方法において統一性や関連性を待たさないこと。小売業サインはその店の経営者の個性を現すこと」と詳細に指示されている。

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円柱状の建物自体がサイネージになっており、曲面に映像が映し出されている。

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複数のモニターが組み合わさり、巨大な映像を放映

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建物の壁面すべてに1社の映像が放映される。

観客席のようなものも設置されており、「タイムズスクエアの広告」そのものがひとつの観光コンテンツとして機能している。自主的に着ぐるみを着て観光客と写真を撮っている人がいるなど、お祭りのような賑わいのある場所だった。

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チケット販売所の上に設けられた客席(のようなもの)。観光客を中心に、広告の前で写真を撮る人も多く見られた。

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自由の女神やアニメキャラクターの着ぐるみ

ニューヨーク市 パブリックアート

ニューヨーク市地下鉄の駅構内にはさまざまなアート作品が常設されており、駅のひとつのシンボルとして機能している。さらに、駅の中で”勝手に“演奏を始めるアーティストがいるなど、かなり自由な雰囲気の空間に感じられた。

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LEDチューブを使ったアート作品

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ロイ・リキテンスタインの地下鉄をモチーフにした作品とそこでラップの演奏をするアーティスト。たくさんの人が集まっていた。

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街ナカの壁面やビルボードなどをアーティストが使用できるようにし、定期的に作品が入れ替わる等の仕組みもあり、OOHとアートの結びつきが強いように感じられた。OOHの新たな可能性も感じられる一例。

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街ナカのサインボードがアーティストの作品を定期的に発表するメディアとして使用されていた。作品の前で記念写真を撮る人もいるなど、アートとフレンドリーに接するニューヨーク市民の様子が多く観察された(Bowery Houston Mural)。

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チェルシー地区にある元々電車の高架だった場所を遊歩道として開放している「ハイライン」。定期的に現代アートの作品を展示する野外展覧会を実施しており、建物の壁面に映し出された映像作品などさまざまなアートを楽しむことができる。

ニューヨーク市 その他 ~ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト~

ユニクロの協賛により、毎週金曜日の夕方16時から夜20時までMoMAに無料で入館できるようになっていた。この時間になると、明らかに来館者の人数が増え、それまで落ち着いていた美術館の雰囲気が一変して活気に満ちた空間になっていた。館内のサイネージには「THANK YOU UNIQLO」の文字が表示されており、ユニクロがニューヨーク市民にも親しまれたブランドであることが実感できた。日系の企業がアートに対する積極的な投資を率先して行なっていることが、意外に感じつつも誇りに思えた。

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サイネージに表示された「THANK YOU UNIQLO」の文字

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金曜の夕刻に、大勢の人がMoMAに押し寄せる様子

  • 調査時期:  2014年2月
  • 調査エリア: ニューヨーク市内(主にマンハッタン島)

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